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ねこちぐら



聖謐

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仰ぎ見る瞳に遠しかの人の眼に深き落日の翳

抱かんと腕延べればなお遠く去りゆく背のいかにも多し

まずもって躓かぬよう彼方より神は遠くに仰ぐが重畳

捧げ持つ聖杯満たす紅の思いは深く後に哀しき

語れども聞く耳はなく溜息のひそと溢れて風に紛れぬ

聖典をひたと見つむる眼らに神の映れる暇すらなし

伏し拝む頭に飽くも向き合うにあまりに高き御身の憂鬱

いにしえはいにしえとなりこの頃は彷徨い続く栄光のゆえ

つれなきと異教の我れを責むごとく面差しまたも視界に滲む

我を見よと鷲掴むごと眼光の猛きに竦む日々の狭間に

赦しをば乞うべき君が民ならず何故に尚そこに在られる

逃れてはならぬ逃さぬ我れならで誰れに縋ると夜々の囁き

縁無き異教の民と申せるに黙して首を振りたるは何故

如何に言い言わずとやがて平れ伏すと佇み開く腕の憎し

敬虔な民人多く在りたるに野卑を追いしはいかにも酔狂

つらつらと日々に述べるも片言も聞こえぬ振りの聖なる面

この世なる身の小ささの口惜しき そろりそろりと後ずさるのみ
by kashimaokami | 2007-06-08 00:04 | 木天蓼(その他の歌・歌評)
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妖猫nekomataのつぶやき歌

by kashimaokami
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